ケース対策だけでは内定はもらえない!戦コンのFIT面接対策
皆さんこんにちは。就活の鷹です。
コンサルでの選考ではケース面接が主流であるため、ケースを皆さんメインで対策されているかと思います。
しかしファームによっては選考の途中やジョブ後の最終面接でフィット面接、つまり「普通の面接」が行われます。
具体的には、外資系の戦略であればBCGやベイン・アンド・カンパニー、その他には会計系のBIG4や日系の戦略ファームであるNRIやドリームインキュベータ、コーポレートディレクション、IGPIなどでフィット面接が行われたということが分かっています。
意外にもここで落ちてしまう人は例年おり、中の人もそのうちの一人です…。
ケースの占める比率が大きいとは言え、フィットを通過しなければ内定が貰えないことは事実です。上記のファームを受ける方はこの記事を是非参考にしてください。
今回の記事では、なぜファームはフィット面接を実施するのかという【フィット面接の意義】と【典型的な質問集とそれが問われる意味】の二章立てでお届けします。
フィット面接の意義
フィットの意義は大きく分けて2つあります。
1つは「議論をしていて楽しい人間かどうか」、もう1つは「内定受諾率(志望度)の確認」を見ています。
それぞれ説明します。
議論をしていて楽しい人間かどうか
フィット面接ではいきなり議論のテーマを投げられることがあります。
投げられ方は様々で、いきなり「日本でイノベーションが起きないのはなぜだと思う?」といった問いを聞かれたり、自分の専門分野を話すと、それに関するテーマについて軽い議論を持ちかけられることもあります。
例えばエネルギー工学を研究していると言うと、「今後エネルギー需要が最も高くなる国はどこか、またその地域へエネルギーを供給する際に、検討すべき障壁はなにか?」という具合です。
この問いに対し、仮に専門にしている分野だからといっても必ずしも完璧な答えが自分の中にあるはずはありません。そんな中で自分が持っている知識をかき集め、ロジカルに議論をできるかというところが見られています。入社後のプロジェクトでのミーティングでも同様の能力が求められるため、面接の場でこれを見ているというわけです。
この議論タイプの質問はいわゆるケース面接とまではいきませんが、十分に深い議論が求められます。紙のないケースと言っても過言ではないでしょう。
また類似した質問として、「最近読んだニュースで気になったものは?」というものがあります。こちらも本質は同じで、深い議論ができるか、常に自分の中で考えを持ちながらニュースに触れているか、というところを見られています。
内定受諾率(志望度)の確認
「なぜウチで働きたいの?」というような所謂普通の面接で聞かれるような質問で内定受諾率を測られます。
内定受諾率とは読んで字の如く、内定を出したときに入社する確率です。この内定受諾率はすなわち志望度と言って差し支えありません。志望度には、業界への志望度とファームへの志望度の2つがあります。
まず業界への志望度です。コンサルティングファームでは業務時間が長く、答えのない問いに対して延々と思考することが求められます。プロジェクトが炎上し、毎日朝帰り・・・そんな状況でも「この人は踏ん張れるか?すべてを放り出して逃げてしまわないか?毎日諦めずに思考できるか?その覚悟はあるか?」というところを面接官は見ているわけです。ここを理解している学生でないと内定を出しても他業界に逃げられる可能性があり、入社後のパフォーマンスにも影響するため、ファームはしっかり確認してきます。
次にファームへの志望度です。コンサル業界への理解があったとしても、ファームへの理解があるとは限りません。「自動車業界へのコンサルを通して日本社会へ貢献したいです」ということを自動車業界のクライアントがいないファームの面接で言うわけにはいきません。
ファーム側からすると、そのファームが強いインダストリー/領域や、ファームの特色を抑えた上でそこで働きたいと言う志望者の方が、内定受諾率も高く、リテインも容易なため、内定を出したいわけです。
また、ファーム側としては、優秀な人材に逃げられたくありません。ですから、志望者が他のファームと迷っている場合、自社に関する必要な情報を与えることによって囲い込みを行うということもフィット面接で行われます。例えば「自動車業界に興味があるのですが」という志望者に対し、「ウチは特に自動車業界に強いよ」などの情報を提供してきます。
また他には、
「この人はうちのカルチャーにあっているだろうか」
「客先に一人で行かせてもファームの恥にならないだろうか」
というところも見られています。
ちなみにケース面接の1次、2次は比較的若手の社員が面接官を担当しますが、フィット面接はパートナーレベルの社員が担当します。プレイヤー/マネジャー経験が豊かで、どのような人間が入社後パフォームできるのかを熟知している人が出てきて上記のポイントを判断するわけです。
また、特に日系ファームに当てはまることですが、外資系の「成長したい。転職を視野に入れている」という短期的なスタンスよりも「コンサルタントとしてクライアント企業を支援し続けたい」という、より長期的なスタンスが好ましいとされています。
なので、大人しく「おたくでコンサルがやりたいです」と答えるのが日系ファームでは無難です。その理由はしっかりと作っておいてくださいね。
以下の章で、具体的にどんな質問が聞かれるかを上げてみました。ご参考にして下さい。
典型的な質問集とそれが問われる意味
それでは具体的にどんな質問が聞かれるのか、それらがなぜ問われるのかを見ていきましょう。
また参考程度ではありますが、これらの質問が実際に聞かれそうなファームの名前と聞かれそうな度合いも添えました。あくまで参考程度なので、これが外れても一切の責任は取りかねます。
なお、回答例に関してはあえて載せていません。質問の意図がわかれば、自ずと自分の答えを捻り出せるはずなので、そこはご自身で挑戦してみて下さい。
質問 | 「なんでコンサルになりたいの?」 |
---|---|
聞いてきそうなファーム | 外資日系問わず |
聞かれそう度 | ★★★★★ |
これを聞く意図 | 「他にどういう業界を受けているんだろう」 「内定を出したらウチに来るか?」 「なんでわざわざ学生認知度の低いコンサルなんかになりたいのか単純に気になる」 |
就活の鷹からのコメント
採用人数が少ないコンサル業界では、内定を蹴られると企業側は非常に困ります。そこで他にどういう業界を受けているのか、どう訴求したらウチに来てくれるんだろう、というところを知るためにこの質問をしています。
また類似した質問として「なぜウチで働きたいの?」というものがありますが、こちらは外資系では滅多に聞かれません。質問の意図は同じで、内定を出した際の受諾率をメインに測っています。
質問 | 「今後のキャリアについてどう考えてるの?」 |
---|---|
聞いてきそうなファーム | 外資日系問わず |
聞かれそう度 | ★★★★★ |
これを聞く意図 | 「自分のキャリアに戦略はあるか?」 「ずっとコンサル一本でやっていくのか?」 「こいつは何年で辞めるんだ? |
就活の鷹からのコメント
類似した質問として「五年後あなたはどこで何をしていますか」という問いがありますが、本質的には同じことを聞いています。
また、外資系のコンサルでは成長するためのステップアップとしてファームを利用することは特に悪とされていませんが、流石に面接でそれを言うのはマズいです。10年以上コンサルをやってきたパートナーに対して「得られるもん得たら3年で辞めますw」なんて口が裂けても言えないでしょう。
質問 | 「入社してからどう働きたいの?」 |
---|---|
聞いてきそうなファーム | 外資日系問わず |
聞かれそう度 | ★★★★☆ |
これを聞く意図 | 「コンサルが何をやっているところかわかっているか?」 「どのインダストリーで働くことになるだろう?」 「誰(ファーム内のマネジャー層)の下で働くことになるだろう?」 |
就活の鷹からのコメント
上の質問の延長線にあるものです。入社後、どんなインダストリー/領域で活躍することに興味あるのか、またそれを言えるだけの理解があるのか、というところを見ています。
質問 | 「ウチでコンサルする上で、活きてくる自身の強みは?」 |
---|---|
聞いてきそうなファーム | 日系に多め |
聞かれそう度 | ★★☆☆☆ |
これを聞く意図 | 「チーム内でどう立ち回るヤツになるか?」 |
就活の鷹からのコメント
The 日系という感じの質問です。外資系ではほとんど聞かれません。
回答の候補として、スキルとスタンスで分けて考えます。
まずスキル(例:論理思考力、インタビュー力など)を回答として答えるのはオススメできません。なぜなら、新卒の学生が持つスキルなんてものは無いも同然で、入社後に伸ばすものだからです。例外として英語力、研究で養った高度なデータ分析力などは一朝一夕で身につかず、なおかつチーム内で突出できる力なので評価に繋がる可能性はあります。
次にスタンス(例:積極的、慎重など)を回答として答える場合ですが、これに関してはコンサルの業務内容を十分理解する必要があります。自分のスタンスがコンサルワークでどう活きてくるかを話せるようになるためには、コンサルタントがチームの一員としてプロジェクトにどう関わるのか、どういうときに苦労するのか、それを打破するためにはどういったスタンスが必要なのか、というのが具体的に思い描けていないと、ただの妄想話になってしまいます。可能であれば現役コンサルタントに話を聞いて整合性を取るのがベストです。
質問 | 「ジョブどうだった?」 |
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聞いてきそうなファーム | 外資日系問わず |
聞かれそう度 | ★★★★☆ |
これを聞く意図 | 「常に問題意識を持ち、PDCAを回してるか?」 |
就活の鷹からのコメント
ジョブ後の面接であれば聞かれる可能性が高いです。ここで避けたいのが、他責するような回答です。「メンバーのレベルが低かった」「社員さんの言っていることがよくわからなかった」という回答をしてしまうと「こいつは問題の責任の所在を他者に押し付けて自分は何もしないタイプだ」と判断され、大きく減点されてしまいます。
ジョブは大抵上手くいきません。そこで生じた問題の原因が他者にあろうと、それに対して有効なリアクションをできなかった責任はメンバー全員にあります。それを認め、教訓として次に繋げるような回答を面接官は求めています。
最後に
いかがだったでしょうか。コンサルの選考ではケースの比重が大きいものの、フィット面接も侮れません。せっかく最終面接まで辿り着いたのに落ちてしまうのは非常に勿体無いです。
対策に時間を割く価値は十分にあるので、この記事を是非参考にしてください!