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ケース面接の評価ポイントと大まかな考え方

はじめに

この記事は、ケース面接で何が評価されるのかといった面接官側のロジックに基づいて解き方を解説することで、効率的にケース面接の練習をする助けにしていただければと思って書きました。
会社によって見ている部分は完全には同じではないですが、以下で挙げる項目は基本的には見られていると思っていただいて大丈夫です。

最近は、こう言う風な構造にしてこう言う回答を作りましょうといったような、表層的なテクニック論に留まったケース面接の対策が散見されるので(偉い人たちの言葉を借りると、つまらない回答が増えている)、構造化の部分では、「考える」と言う部分に焦点を当てて詳しく説明しています。

この記事をしっかり理解していただいた上で、ケース面接に臨んでいただければ、少なくとも絶対に通ったと思ったのに落ちたと言うことはなくなるかと思います。

1.ケース面接とは何か

コンサルティング会社に興味がある方であればケース面接という言葉を聞いたことがない方はいないかと思いますが、実際にどういったものかを軽く解説します。

ケース面接ではあるお題を出されて、その問題について数分~数十分自分で考えた後に面接官と議論をして結論を導くというものです。議論中にも面接官によってはその場で1分間考えさせられるといったこともあります。

往々にしてフェルミ推定(別記事で解説)とセットで出題され、ビジネス、抽象、データ解析系といったようなタイプがあります。(各々の具体例や解き方は割愛)

戦略コンサルを目指す方は絶対に避けては通れない道であるので、何が評価されるのかを理解した上で対策をすることがお勧めです。また、それ以外の方も絶対に今後役立つので触れておいて損はしません。(個人的な意見です笑)

次に面接での評価項目を紹介したいと思います。

2.ケース面接での評価項目・考え方

当たり前ですがケース面接はその人がコンサルとして活躍することができるかを判断するために実施するものです。なので、フェルミ推定でも書いたような項目が結局は見られています。

  • 頭の良さ・知識:答えのない問いに対し、論理的にアプローチできるか
  • コミュニケーション・プロとしての姿勢:考えた内容をチームでディスカッションして推敲し、お客さんに分かりやすく伝えられるか
  • 性格・態度(EQ):コンサルタントとして成長していける素質があるか

頭の良さ・知識

評価される点は構造化力・アイデア(知識を含む)及び思考の速さの二つですがかなり要素は多いので以下で詳しく解説します。

構造化力・アイデア

まとめると「正しく問を分解し、重要な部分に集中して、実行できかつ効果がありそうな施策を提案できるか、そして面接官との議論でもその繰り返しができるか」が見られています。このプロセスの中で抽象化・具体化を何度も行き来する必要があります。

例えば、「新宿駅の大通り沿いにあるスターバックスの売上を向上せよ」というお題で一連のプロセス内でのポイントを説明します。太字の項目ができているかが基本的には見られています。

まず一番最初に大事なのは、分解をする前にどのあたりが効きそうだな、といったような仮説を持つことです。具体的にいうと、売り上げが上がらない原因や大きく上げる余地がある部分と解決策をセットで最初に答えをある程度持っておく、ということです。
逆に全く知見を持っていないお題の場合は、仮説を持つために構造化するという一般的な順序で問題ありません。
スターバックスの例で言うと、新宿のスタバは休日はいつも混んでいて座れずに帰ってしまう人が多いからスタバの雰囲気を壊さず単価を上げられるワンモアチケットやフード割引チケットは筋が良さそうだな、平日はそもそもあまり人通りがなく客数も少ないからやれることは限られていそうだな、といった所です。

最初に考えたことを意識しながら次に構造化に入ります。

構造化ではまず、売上を適切な要素に重要な部分を抜かさずに分解します。(一言でいえばロジックツリーがしっかり書けるかです)この際に売上は席数*占有率*営業時間*回転率*単価です。と言い切るとこの項目の「重要な部分を抜かさない」という部分ではあまり評価は高くありません。新宿という土地柄を考慮するとテイクアウトの割合は無視できないものであるはずだからです。当たり前ですがこの時点で回転率を抜かしたり、売上は日本の人口*・・と言い出したりしてもあまり評価はよくないです。

次に、各要素をさらに意味のある形に分解してどこに問題があるかを特定できるようにします。(セグメント分けです)軽く見られがちですが、この部分で立てる問がイケていないとこの後どんなに頑張ってもあまりいい回答にはなりません。
まず、新宿というだけあって休日と平日の占有率は大きく違い、休日はテイクアウトも多そうです。それだけでなく、朝昼夜でも客層が違い、単価や回転率に影響を与えそうです。。。。といったようにさらに要素を分解して具体的な問題点・解決策が考えられるレベルにまでします。この際にも最初に考えた部分と新しく思いついたことを行き来しながら構造化に反映します。

ここまで分解できたら構造に基づいて優先的に解くべき問題を決めます。今までに分解した要素について、売上への影響の大きさ等の明快な論理を基に、どの要素に対してアプローチをするのか決めます。例えば、平日はほぼ満席になっておらず、スターバックス利用の需要がない顧客に追加で利用してもらう必要がある。一方で休日は席が空いていないせいで帰ってしまう顧客が多数おり、需要があるものの取り切れていない顧客が多い。さらに、売り上げで比べても土日で平日5日と同程度の売上が立っており、各パラメーターの変動による売上への影響は一様。(簡単な計算等で示す)以上の理由から休日のテイクアウト、席数・回転率、及び単価に焦点を当てる。といった感じです。

最後に自身の知っていることやこれまでの前提を混ぜ合わせ、実行ができそうかつ意味がありそうな解決策を考えます。土日は買い物客が多く座れる場所さえあればいいので、季節によってはテラス席の配置を変えて席数を増やすというのはあり得そうです。また、最初に考えたドリンクのワンモアチケットも良さそうです。(もうやっているかもですが)今までの分析と全く関係ないまたは前提が食い違っているアイデアがでてくるとよくアイデアベースと批判されがちです。(前提が食い違っているというのは、例えばある商品のメインユーザーは富裕層であり、質をもとめるという前提を置いた後に価格を上げると購買数が減るから価格は動かせないというようなことです。焦ると自分の言ったことを忘れるので結構やってしまいがちです。)

最後に自身が考えたことを面接官に順序だてて分かりやすく説明します。
その際に、どのような制約や前提があるのかを意識的に伝えると自身の施策がしっかり考えられたものであることが説明しやすいです。

そのあとの面接官との議論で上記を繰り返し、議論を進める中で自身の施策をさらにより良いものにしていきます。

思考の速さ

これは文字の通りです。上の構造化や面接官とのやりとりをスピード感をもってやり、素早く仮説をアップデートできるかが見られています。計算の早さもここに含まれています。

コミュニケーション

フェルミ推定の部分と同じなので貼り付けます。思考の速さとかぶっている部分があるのはお許しください。要は礼儀をもって楽しく議論しましょうということです。

分かりやすく人に伝えられるか、相手の意図を素早く汲み取れるか、建設的な議論ができるか(なんでも否定するのがこの対極です)、お客さんに出せる態度か等が見られています。(最後の要素も結構重要です。コンサルは頭が良ければ通るとよく言われますが結局お客さんあっての商売なので実はそんなことありません。)

性格・態度(EQ)

優秀な学生ほどこの部分は意識したほうがいいです。能力がいかに高くてもこいつ嫌いと思われると落とされる可能性があるからです。

具体的には、面接官のフィードバックに対する反応、各会社にフィットするか、いやな感じがしないか等、割とフィーリングなところが多いです。対策のしようはあまりないので自然体でいくのがいいのかもしれませんが。。。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。最近は対策している学生が増えているので、「本に書いてある通り答えられた」ぐらいの感覚だと1−2次面接くらいまでしか通らなくなってしまっている気がします。
その際にほかの学生との差別化要因になるのはやはり「考える」力です。うまく構造に当てはめる、過去に解いたケースのパターンに当てはめるといったつまらない回答ではなく、自身がコンサルタントでお客さんにその施策を提案する時に突っ込まれても自信を持ってお勧めし続けられる考え切った回答がやはり面接官に刺さります。

この記事がどこまで役に立つかは分かりませんが、これからも色々な記事を書いていきたいと思うので、引き続きよろしくお願いします。

 

 

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