選抜コミュニティ10選&難易度ランキング【戦略コンサル/投資銀行志望者向け】
こんにちは。鷹です。
外資系戦略コンサルティングファーム、外資系投資銀行を志望する方々の登竜門とされる選抜コミュニティについてまとめてみました。各コミュニティの講座内容や実績、印象について、独断と偏見も含め紹介します。
昨今、コミュニティビジネスの増加で新設組織が多くなっており、中には怪しげなものも混じっている印象です。本記事では、我々が「選抜コミュニティと呼ぶに足る」と考える組織のみご紹介します。未掲載コミュニティについては、皆さん自身でクオリティをご判断頂き、付き合い方を決めることをお勧めします。
NESTメンバーにも、選抜コミュニティ参加者及び現役/元メンターが多数在籍しており、運営にも関与していました。本記事は、我々の実体験及び各コミュニティに関与している友人へのヒアリングをもとに作成しています。
※内容は全て2024年12月時点のものです。情報に不確定性がある旨ご注意ください。もし内容に不備や修正点等あれば、TwitterのDM等でご指摘頂ければ幸いです。
そもそも選抜コミュニティとは何か
選抜コミュニティとは、戦略コンサルや投資銀行を志望する学生を集め、主に内定者からメンタリングや講義を提供する団体を指します。ES、グループディスカッション(GD)、ケース面接/一般面接等の選考を経て選抜された数名~数十名のみがメンバーになることができます。
基本的に学生側は無料でサービスを受けることができます。その代わり、選抜コミュニティ運営元は、学生を企業に送客することでマネタイズしています。ただし就活メディアなどの別のマネタイズポイントがある場合はブランディング目的で運営している場合もあります。
合格者に対して、戦略コンサルや投資銀行の内定者がメンターとなり、ケース面接対策、一般面接対策、GD対策、ジョブ対策 等の講座を通じて指導します。選抜コミュニティの数が増えてきたことで、メンター確保に各コミュニティ難しくなってきたため、昨今では同一人物が複数コミュニティでメンターをしているケースも散見されます。
多くのコミュニティは週1回のメンタリングと講座(主にジョブ練習会)を基本サービスとして提供しており、その点では大きな差異はありません。しかし、一部のコミュニティでは企業への特別選考ルートを確保しているため、参加できたらアドバンテージになるかもしれません。
選抜コミュニティ一覧
我々が認知しており、かつ参加する価値があると考えている選抜コミュニティを10個ご紹介します。
※ もし未掲載かつ「我こそは」というコミュニティ運営者様がいらっしゃいましたらTwitterDMまでご連絡ください
YC塾
概要
YC塾は2013年4月から活動が開始された非営利組織で、トップ層向け選抜コミュニティのパイオニアです。
- 選考時期:3月
- 人数:10人程度
- 対象企業:Mck、BCG、Bain、GS、MS、JP、BofA
- 選考内容:GD、ケース面接(学生・代表)
- 公式サイト:http://yc-seminar.jp/
解説
受講生に対しコア企業(YCが定義)内定者がメンターとしてつきメンタリング、ジョブ練習、合宿などのサービスを提供しています。極めて限られた人数の受講生であるため、縦と横の繋がりが強く、就職後も関係が続いていくそうです。
また、選抜生“以外”を対象とした講座を都度開いていますが、こちらも実際は選抜試験となっているようで、評価されればイベント後にお誘いの連絡が来ます。最初の選考でこぼれてしまった/受けに来なかった層を拾うための受け皿として開催しているようです。
ここだけ話
YC塾は非営利団体であるがゆえ、他営利団体のようにメンターを有償で雇うことはしておらず、メンターはみな無償で参画しています。塾生がコア企業(YC定義)からの内定を得た場合、そのまま次代メンター/運営担当者を務めるのが必須条件とのことです。他団体とは違い、部活/サークルのような団体といえます。
塾生の8割は東大であり、東大以外の方が受かるのは観測上、かなり難しいといえます。ただしYC塾の方から、”あくまで選考の結果、東大比率が高くなっているだけ”とのコメント頂いており、東大以外の方でもチャレンジする価値はありそうです。
24卒からはYC Salonという間口を広げたコミュニティを運営しています。YC Salonに加入するとYC塾の受験料の割引が適用されます。
外資就活アカデミア
概要
外資就活のハウテレビジョンが運営する選抜コミュニティです。20卒より運営を開始しました。通称“アカデミア”。
- 選考時期:3月
- 人数:10人程度
- 対象企業:Mck、BCG、Bain、GS、MS、JP、BofA
- 選考内容:ES、GD、個別面接
解説
特徴はYC塾に匹敵するほどの少人数運営です。メンターとメンティーの関係が密であり、日々連絡を取れる状態にあるとのことです。例年合宿があり、先輩と同期間での仲の良さが特徴の1つです。
ここだけ話
21卒までは社会人講師が多くの講座などを担当していました。ですが、22卒からは主に学生のみの運営となっています。その分22卒からは過去に比べて講座が充実し、JOB対策講座には卒業した社会人が参加するなど、縦の繋がりも強固になっているそうです。
ハウテレビジョンが運営している関係で、企業とのタイアップイベントが沢山あるだけでなく一部戦略ファーム(総合系コンサルティングファームの戦略部門、日系含む)の優遇ルートも複数存在しています。
NEST
概要
戦略コンサルや投資銀行、PEファンドの現役・元社員が主体となって運営している選抜コミュニティです。23卒より運営を開始しました。
- 選考時期:12月-1月
- 人数:4人
- 対象企業:外資戦略コンサル
- 選考内容:ケース面接3回(人物含む)
- 公式サイト:https://shukatsunotaka.com/page-884
解説
基本マンツーマンでのメンタリングサービスと講座形式でのトレーニングを行っています。社会人が運営しているコミュニティーのため、講座やメンタリングの質が高い点が特徴です。また4~5人前後の少数精鋭なため、就活中のみならず内定後入社後でもイベントを開催し、関係を大切にしています。
ここだけ話
合宿やイベントを通じて、上の代と関わる機会が多く、縦と横の繋がりが非常に強いのが特徴です。また、実務経験豊富な社会人メンターに加え、NESTの1-2期の先輩たちが既に各ファームで活躍しているため、キャリアや業界に関する情報や実践的なアドバイスを得られる環境が整っています。
Alternative Internships
概要
人材会社iBeckの運営する選抜コミュニティで、本格活動を開始したのは19卒からとなります。通称”オルタナ”。
- 選考時期:12~6月、9~10月
- 人数:メンター付は(夏10人程度、秋数人程度)、小人数制講座参加可能は10人程度
- 対象企業:外資戦略コンサル、外資系投資銀行
- 選考内容:選考会(筆記ケース・GD)、個別面接(学生・代表)
- 公式サイト:https://www.alternativeis.jp/
解説
メンタリング体制については、選考会直後からメンターがつくケースもあれば、講座でのパフォームを重ねることで6月頃からメンターがつくなど、個々の状況に応じて変わってきます。一方でパフォームしなければ、途中から講座案内が制限されるなど、厳格なルールも設けられています。
メンティーおよびメンティー候補生向けに、少人数制クラス講座が、7月まで月2~4回、土日に開催されています。オルタナの講座は現役/元戦略コンサルタントの方や外資系投資銀行卒の方が講座の設計・運営ともに行うため、非常に有益と言われています。
NRI、ADL、ローベル、リクルート、KPMG戦略、ジャフコなどの特別選考ルートがあったようで、他にシンガポールHFのインターンへのルートがあるとも言われています。
ここだけ話
メンターの質が高いことが有名で、メンター同士もとても仲が良いように思われます。特徴的なのが、夏ジョブの時期までに2回ほど行われる「オルタナ交流会」です。
交流会と言う名の飲み会ですが、毎年盛り上がっているそうです。縦横の交流を行うことができ、現役社員の方もいらっしゃるため、動き方次第ではさまざまな学びもある会です。ここでは普段と全く違う姿の代表を見ることができるとか…
Reverse
概要
24卒より発足した選抜コミュニティです。
- 選考時期:2月
- 人数:5~10人程度(選抜生)
- 対象企業:外資戦略コンサル、外資系投資銀行
- 選考内容:ES・筆記試験、GD、個人面接
解説
有料でコンサル新卒・転職向けサービスを展開しているReverseが24卒の代から設立した選抜コミュニティです。選抜生に選ばれると有料会員と同様のサービスを無料で受講することが可能です。ジョブ練習は一般会員(有料でReverseに参加されている方)と一緒に行うため、本番のジョブに近い経験を積むことができるようです。
ここだけ話
Reverseは選考フローに筆記試験があることが特徴的です。筆記試験では判断推理のような難易度の高い問題が出題されます。
FactLogic Executive/GAP京都
概要
Goodfindで有名なスローガンが運営する“THE 選抜コミュニティ”です。関西では京大生限定でGAP京都と言う名前になっていますが、サービスとしてはほぼ変わりません。通称“エグゼ”。
- 選考時期:2-3月、9月
- 人数:30人程度(春がメイン)
- 対象企業:外資戦略コンサル、外資系投資銀行
- 選考内容:ES、GD、個別面接
- 公式サイト:https://factlogic.jp/community/events/exe/
解説
内定者によるメンタリングとジョブ練習会をはじめとする各種講座などがあります。その他戦略コンサルのジョブ直結ルートや戦コン・外銀の説明会が行われています。
ここだけ話
例年、春と秋に二度選抜生を募集しており、特に秋選考では夏のインターン実績が重視される傾向にあるようです。戦コンと外銀では選考ルートがやや異なりますが、26卒の代から外銀志望でもケース面接が課されるようになりました。例年、超優秀層は当然のように合格しており、講座の内容は広く浅くといった印象です。
SOLVE
概要
2020年から本格始動した選抜コミュニティです。
- 選考時期:2-3月、9月
- 人数:30人程度(春募集は15-20名程度)
- 対象企業:外資戦略コンサル、外資系投資銀行
- 選考内容:GD、筆記試験、個別面接
- 公式サイト:https://inprogroup.jp/school/solve/index.html
解説
Bainに在籍されていた方が代表で、ケース面接のメンタリングやファーム別の対策講座、ジョブ対策講座を開いています。
メンタリングサービスは他コミュニティと異なり、特定の担当メンターがつくわけではない点が特徴的です。代表に言って希望する属性のメンターにつなげてもらいメンタリングを受けるという形式で、メンタリングにおける柔軟性が特徴の1つです。
ここだけ話
代表の方がとても優しく素敵な方で、温かい雰囲気のコミュニティです。メンターは戦コン・外銀に加えてGAFA内定者もいて幅広い対策をすることが可能です。
BCA(BizReach Campus Academy)
概要
ビズリーチ・キャンパスが運営している新興の選抜コミュニティで、23卒から本格募集が始まりました。
- 選考時期:2‐3月、5-6月、9-10月
- 人数:2-3月は20人程度
- 対象企業:外資戦略コンサル、外資系投資銀行、商社、デベロッパー、電博等
- 選考内容:ES、GD、個人面接
- 公式サイト:https://br-campus.jp/articles/report/1036
解説
ビズリーチが運営している選抜コミュニティのため、就職活動に対するサポートが整っています。サービス内容は、内定者によるメンタリングとジョブ練習会をはじめとする講座です。メンタリングは自身の担当メンター以外にも話を聞くことができるのが特徴です。
募集時期が1年に複数あり、26卒では3月に1期生、5月に2期生の募集がありました。1期生では外資戦略コンサル志望を主として募集しており、2期生では商社やデベロッパー枠の選考も行われています。
ここだけ話
専任のメインメンターとサブメンターがつきますが、業界や回数問わずメンタリングを依頼できる柔軟性が特徴です。日系企業から外資系企業まで、幅広い業界の内定者が在籍しているため、業界・企業(日系・外資)を幅広く受ける予定の方には特におすすめなコミュニティです。
また、BCAが主催するGDオリンピックで良い評価を受けるとESやGDが免除されます。
NEXVEL
概要
レクミーの子会社が運営する選抜コミュニティです。選抜コミュニティの中ではかなりの古株です。
- 選考時期:11月~
- 人数:非常に多い
- 対象企業:外資戦略コンサル、外資系投資銀行
- 選考内容:選考会(GD・Webテスト)
- 公式サイト:http://nexvel.co.jp/
概要
24卒から門戸を広げ、多くの学生を受け入れています。選考の段階でランク付けが行われ、優秀な人は月に2回内定者とのメンタリングを受けることが可能です。
外資・日系企業とのタイアップイベントは1年を通して数多く行っています。また、一部の高ランクの人たちには戦略コンサルのジョブ直結ルートやWebテスト免除のルートなど様々な優遇が存在します。
ここだけ話
元々は学生団体として、ワークスアプリケーションズ協賛のもとスタートしました。その後、現代表がワークスから独立し運営をしていたところをリーディングマークから買収されました。
以前は、前述のAlternative Internshipや外資就活アカデミアで講師を務めていた社会人の方が講座を実施していたようですが、現在は内定者によるメンタリングが主になっております。
CONNECT
概要
26卒より発足した選抜コミュニティです。
- 選考時期:3月
- 人数:5~10人
- 対象企業:外資戦略コンサル
- 選考内容:CaseMatch、ケース面接
- 公式サイト:https://connect.asuni.co.jp/
解説
CaseMatch主催の選抜コミュニティです。26卒では戦コン志望と外銀志望の両方を募集対象としていましたが、27卒から戦コン志望のみを募集対象としています。メインメンターには週に1度、サブメンターは月に1度メンタリングを受けることが可能です。メンターは全員MBBK内定者かつ他のコミュニティでもメンターをやっている関係でメンタリングの質が高いという評判があります。
ここだけ話
26卒ではTier1-2に全員が内定(MBB内定率は80%)という実績が公開されており、初年度から実績の高いコミュニティであることが伺えます。ESやGDは課さない代わりにCaseMatchを活用した選考を行っています。また、27卒から戦略コンサルをはじめとする特別選考ルートの用意があるそうです。
気になる疑問
どんな人が選コミュに受かるの?
戦コン、IBDに受かる”ポテンシャル”があると内定者から判断された人が受かります。(=受かる人と必ずしも同義ではないことにご注意ください)
構造化や仮説思考等だけではなく、修正力や物腰柔らかさなどのEQ面も同時に見られている点もご留意ください。
深く考えられているのか、考えること自体を楽しめているのかなども重要視されています。
複数コミュニティに受かる人はどの程度なの?
全体の中で半分近くいる印象です。選抜コミュニティの数及び人数の増加に伴い、複数所属している人も増加してきました。面接官との相性などももちろんあるため、参加数を気にしすぎないことをオススメします。
選コミュに所属したら、内定できるの?
決して、そんなことはございません。
選抜コミュニティは学生が面接官を務めているため、実際の戦略コンサルティングファームでの基準とはずれていると思われます。(NEST社会人メンターの感覚的には少なくとも2-3割ほどずれています)そのため、あくまでも戦略コンサルティングファーム内定及び外資系投資銀行内定のポテンシャルがある“かもしれない”程度に思うことをおすすめします。
選抜コミュニティの受け方
受ける時期/タイミング
最低限の“お作法”を知ったら、後はいつ受けても問題ありません。厳しいことを言えば、「受かる人は受かる、落ちる人は落ちる」の世界です。そこで迷って時間を使うより、できるだけ早く受けて、早めから自分の実力値や課題を認識した方が強いと思います。
“お作法”と言っているのは、「お題は、現状を分析して、課題を特定し、施策を考える、という流れでやる」「仮説をまず立てて、それが合っていそうか議論する」というようなケース面接の進め方への理解を指します。(一例であり必ずしも全てのケースに当てはまるわけではありません)人によりますが、ケース面接本を読んで試しに4~5問解いてみれば十分だと思います。
ちなみに、実際にメンターとして選抜をしていた経験からですが、時期による選考基準のブレはさほどありませんでした。むしろ面接官によるブレ(=思考パターンの相性等)の方が大きかったと思います。誰に当たるかは基本的に”運”なので祈るしかないです。
各選抜コミュニティの難易度
選抜コミュニティの受験は大学受験と似通っている点が多々あります。(各コミュニティで明確に難易度の差があります。)NESTメンバーの印象から難易度を述べておくと、「YC塾 >> 外資就活アカデミア > CONNECT = Reverse > オルタナ(メンター付き) >>> エグゼ >> SOLVE=BCA >>>>NEXVEL」といった感じでしょうか。難易度とご自身の実力を鑑み、本命のコミュニティを定めましょう。
選抜コミュニティへの選考対策
主に選考内容はES、筆記試験、GD、個人面接(ケース面接、外銀模擬面接)です。一部では大学でスクリーニングをかけており、東大、京大、一橋、東工大、早稲田、慶應以外では加入が難しいコミュニティがあるのが現実です。
ESは主に大学スクリーニングに用いられます。筆記試験はおまけのようなもので、一般的に重視はされていません。最も重要視されるのはGDで、ここでの倍率が4~5倍程度です。その後の面接フェーズでコミュニティにより異なりますが大体4倍程度(但し、コミュニティによって倍率は異なります)です。
各選考に対する対策は、本番の企業を受ける時と同様です。対策にあたって是非以下の記事を参考にしてみてください。
GD:(誠意作成中)
ケース面接:ケース面接の評価ポイントと大まかな考え方、フェルミ推定<選考で見られている要素とトレーニング方法>
終わりに
NESTメンバーの情報を基に、選抜コミュニティについてまとめてみました。
よく「今の実力で選抜コミュニティ受けても大丈夫でしょうか?」と質問が来ますが、本質を見失わないでください。所詮、選抜コミュニティは実際に企業を受ける前の”練習”です。昨今の選抜コミュニティの過熱ぶりを見ていると、”練習のための練習”という何とも言い難い状態になっている気がします。
もちろん受かれば大きなメリットがありますが、受けて自分の実力、ケース面接の雰囲気を知るだけでも就職活動に大きなプラスがあります。臆さず、めんどくさがらず、積極的に挑戦してみてください。もしダメだったら、実際に企業を受けるまでに、巻き返せばいいだけです。
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