【鷹×ムービン対談記事】コンサル後のキャリアを転職エージェントに聞いてみた
みなさんこんにちは。就活の鷹です。
今回の記事はキャリアについて、特にポストコンサルキャリアについてのものです。コンサルティングファームは一生勤め上げるようなところではないと一般的に考えられています。転職が前提ではないにしろ、少なくとも転職でどんな業界が可能性としてあり得るのか知っておきたい…そんな人が多いんじゃないでしょうか。就活の鷹の中の人もそうです(笑)
「流行りに乗ってみたけど、とりあえずコンサルはまずいか?」
「コンサルになってどんなスキルを磨けばいいんだ?」
「そもそもコンサルは自分にとって目指すべきキャリアか?」
コンサルの後にどこにいくのか、いわゆるポストコンサルについての疑問は尽きません。
これらの疑問に答えるべく先日、就活の鷹はコンサルティング業界の転職に特化したエージェントであるムービンストラテジックキャリアのキャリアコンサルタント A様にインタビューを行いました。
ムービンストラテジックキャリア(通称:ムービン)といえば、コンサルティング業界周辺の転職エージェントで実績No.1を誇る企業です。
今回の記事では、インタビューを通してお話していただいた内容を皆さんと共有できればと思います。皆さんの今後のキャリア形成の参考になれば幸いです。
目次
コンサルからの転職先として代表的なPEファンド(バイアウト系)や事業会社の経営企画といったキャリアに加え、個人的に興味のあったVCについて詳しくお聞きしました。
個別のキャリアについて、その可能性や選考について伺った後、転職すべきタイミングについても伺いました。
- コンサル→PEファンド 【コンサル出身はバリューアップ能力が求められる】
- コンサル→VC 【年収ダウン、やりがい重視】
- コンサル→事業会社 【実は年収は下がらない】
- 転職は3年経ってから
- 最後に
1. コンサル→PEファンド【コンサル出身はバリューアップ能力が求められる】
特に個人的に気になっている、PEファンドや事業会社の経営企画室、総合商社といったキャリアなどについてお聞かせ願えますでしょうか。
PEファンドへの転職はたしかに人気ですね。近年は日本の景気自体も上がってきているため、PEファンド業界自体が活況です。採用の門戸も広げています。
PEファンドでの業務は、大きく分けて「投資判断」と「バリューアップ」です。したがって、求められる人材としてはこれらの領域でパフォームできる人ということになります。
傾向としては、投資銀行出身の人が投資判断を、コンサル出身の人がバリューアップでパフォームするイメージです。もちろん、完全分業制ではないので両方に適正がないとダメですが。
なるほど、それは必然とハイレベルな人材になりますね。
すると私の場合はファーストキャリアが戦略コンサルタントのため、バリューアップに求められるスキルは身につきそうですが、それに加えて投資判断に求められるスキルも別に身につける必要があるわけですね。
はい。これもまたイメージ程度のお話であり、もちろん個々の企業ごとに差異はございますが、外資系のPEファンドは投資判断サイドに重きが置かれるため主に投資銀行出身者が活躍します。
一方、日系だと相対的にバリューアップに重きを置いているところが多いため、コンサル出身者も幅広く活躍しているイメージです。
日系は、よりハンズオンでバリューアップをするところが多いです。
外資系と日系でそのような傾向の違いがあるんですね。
PEファンド、特に外資系のトップファンドはエリート中のエリートと呼ばれるようなキャリアですので、有力候補として視野に入れたいと思います。
PEファンドについて、気になる年収についてはいかがでしょう?
2. コンサル→VC【年収ダウン、やりがい重視】
こちらも年次や経験によりますが、若手ですとベース年収600万あたりのイメージです。
また、コンサル→VCの転職で留意しておきたいのが、頭がキレキレなことも求められますが、ベンチャー企業の人とどれくらいネットワークを持っているかや、新規事業に関わった経験があるのかということ等も重要になってきます。
大手のコンサルティングファームとVCでは、人の指向性が結構異なりそうですね。
3. コンサル→事業会社【実は年収は下がらない】
聞くところによると外資メーカーの経営企画室や、商社へのキャリアパスが人気だとか。
仰る通りそういったキャリアパスはあります。
皆さんが気になる年収から先にお話しますと、意外と下がらないんです。コンペンセーションの面でもコンサルに引けを取らないオファーを出しているところは、外資メーカーでも商社でも結構あります。
それは意外ですね。コンサルからですと給料はネックにはならなさそうですね。
総合商社への転職についてですが、配属リスクはありますか?
新卒採用ではどの部門に配属されるかわからないというリスクが有るとよく聞きます。
配属リスクは無いと考えていいです。
募集時にポジションが決まっており、求職者はそこにアプライする形になります。ですので新卒採用のときとは異なりますね。
コンサルからの転職ですと、特に事業投資、経営企画、MAの部門が多いイメージです。また、業界に専門性がある方の場合であれば、該当する業界の部門へ応募することも可能です。
そうなんですね。
配属リスクがないことは安心できる要素です。新卒採用時に商社を志望しなかった理由の一つなので…。
商社側にとって、ポストコンサル人材の需要はあるのですか?
商社側はやはり優秀な人を採りたいと考えています。コンサル経験のある人材はやはり人気ですね。
ただ、商社は長めの経験をお持ちの方を好む傾向にありますので、年齢で言いますと、30歳を超えてからの転職が多くなります。
4. 転職は3年経ってから
もちろん3年での転職も多いです。これは商社に限らず一般的な話ですが、「コンサルティングファームという厳しい環境で3年やってきた」ということも評価の対象です。
逆に1年で辞めてしまうと、「堪え性がない」という評価をされたりします。またジョブホッパーじゃないかと思われ、避けられることもあります。
これはコンサルの例ではございませんが、実際に、とある有名な外資系投資銀行に勤めている人が、ジョブホップをしすぎた結果、どこにも書類が通らなくなってしまったという事例もあります。
雇用側からすると当然、すぐ辞めてしまいかねない人はリスクに映るわけです。
それは気をつけた方がいいですね。
ちなみに、新卒入社から3年いてコンサルタントの役職に上がった後の転職は、あくまでポテンシャル採用ということですか?
3年ほどアナリスト・アソシエイトの仕事をしたところで業界の専門性は付かないですよね。
いわゆるミドルアップまで勤め上げた方と比較するとそうですよね。
先程申し上げたこととも関連しますが、新卒3年での転職の場合、ファームでのご経験も評価の対象ではあります。
しかし、「サバイブした」という事実や、そもそもコンサルティングファームに入社できたという事実といった、ポテンシャル面も重要な評価対象です。そこから改めて転職先ではインプットを受けるわけです。
逆にマネージャーレベル等、ご経験が長い方の転職であれば、業界のスペシャリストとしてアプライすることもできます。
なるほど、わかりました。
最後にお聞きしたいのが、転職面接についてなのですが…。
コンサルティング業務は守秘性が高いですよね。自分がどのようなプロジェクトでどのような結果に貢献したなどを面接では話すことができないと思うのですが、そうするとどのようにして自分をアピールすることになるのでしょう?
プロジェクトの具体的な内容については話すことができない点も多いですよね。代わりに、自分が一人のチームメンバーとしてどういう工夫をしてプロジェクトに貢献したか、というところを話すといいでしょう。
例えば「あるリサーチをするとき、このように工夫をしました。これは御社の業務でも活かせるものです」という具合です。
正直、面接する側も話せないことがあるのは理解していますので、無理に聞かれることはほとんどないです。
なるほど安心しました。本質的には新卒採用時の面接と大きく変わりなさそうですね。
A様、本日はお忙しいところ、ありがとうございました。将来のキャリアについてのイメージを掴むことができました。また何かございましたらよろしくお願いいたします。
5. 終わりに
いかがでしたでしょうか。
やはりポストコンサルの現実を知っている/知っていないとでは、コンサルを志望する姿勢にも違いが出てくるはずです。キャリアは自分の目的を達成するためのものです。流行に乗っかり、ただ漠然とコンサルを目指すのではなく、
- そもそも自分はコンサルを目指すべきか?
- コンサルでどのような能力を伸ばせばいいのか?
このような疑問を明確に意識してみてください。
今回記事化するにあたり、各企業特有の情報などは割愛させていただきました。より詳細な情報を知りたい、この業界への転職について知りたいという方はムービンストラテジックキャリア様へご相談されてみてはいかがでしょうか。
就活の鷹の中の人の個人的な感想としては、インタビューを通して貴重な情報ばかり聞かせていただき感動した次第です。感動しつつメモを起こしつつ帰路につきました。大満足でした。
A様、末筆ではございますが、インタビューにご協力いただき大変ありがとうございました。