投資銀行(IBD)志望者におすすめの対策本 【厳選5冊+9冊】
こんにちは、就活の鷹です。
先日、戦略コンサル志望者向けに書籍紹介をしましたが、今回は証券会社の投資銀行部門(以下、IBD)志望者向けの書籍を紹介したいと思います。
▼コンサル向け記事はこちら
戦略コンサル志望者におすすめのケース面接対策本【厳選5冊+8冊】
IBDの選考では高いレベルでの業務理解や財務知識などが要求され、その対策として専門書から知識を得ることは非常に重要です。また、面接やジョブ中の雑談などで「投資銀行に関連する本とか読んだことある?」など社員さんに聞かれることもあるので、何冊か読んでおくとよいと思います。
そこで今回は、IBD志望者向けにおすすめの本を紹介したいと思います。
数多く書籍が出ているため、どれを買えばいいか悩む方も多いと思います。この記事を読めば、自分がどの本に取り組めばいいのか分かると思うので、ぜひ参考にしてみてください
(以下の書籍は、新卒/中途に関わらずおすすめできるものです)
注意:記事中でのコメントや難易度などの評価は完全に就活の鷹の主観に基づくものです。
紹介する本のリスト
今回紹介する本は以下の通りです。各本のリンクを押せば、その本の解説まで飛べます。
戦略コンサル志望者向けの記事同様、14冊と絞りきれませんでした(笑)
ですので、その中でも本当におすすめと断言できる5冊を紹介します。もしも、まだ読んだことが無いものがあれば是非手にとって見て下さい。
- 投資銀行業界大研究 新版
- 【増補改訂】 財務3表一体理解法 (朝日新書)
- MBAバリュエーション (日経BP実戦MBA2)
- バリュエーションの教科書
- 経営戦略とコーポレートファイナンス
IBDの仕事内容のイメージをざっくりつける
まずは、IBDの仕事内容が掴めるような本を三冊紹介します。IBDについて殆ど知識が無い方にとっては勿論のこと、説明会やジョブ中の講義などである程度の知識を持った人にも新しく学ぶ物がある書籍となっています。
①投資銀行業界大研究
目的 | 投資銀行の業務内容を知る (組織体制や部署ごとの業務など) |
おすすめ度 | ☆☆☆☆☆ |
難易度 | ☆☆ |
就活の鷹からのコメント
先日の記事にも書きましたが、ES や面接に臨むにあたり、業務理解をするのは大前提となりますが、意外と十分な理解ができている学生は少ないものです。
2章の投資銀行の歴史や組織体制、3章の業務内容(M&Aや債券株式の引き受け業務など)は非常に勉強になります。
▼ES対策の記事はこちら
外銀IBD(投資銀行部門)対策 本選考ES編
注意点
書かれたのが2014年ということで、1章の最新動向などが若干古いのが難点です。その部分は、 各社説明会等やリーグテーブルなどで補うと良いでしょう。
②投資銀行青春白書
目的 | 投資銀行の業務内容を知る (小説ベースで業務の流れを知る) |
おすすめ度 | ☆☆☆☆ |
難易度 | ☆ |
就活の鷹からのコメント
とても手軽に読み進められて、IBDの業務内容について理解が進むという点で非常に優れた小説だと思います。筆者の保田氏はリーマンブラザーズ、UBSで勤務した経験があり、元バンカーが書いた小説ということもお勧めです。
注意点
割とポンコツ目な女性が主人公なのですが、現実ではそのようなバンカーは生き残れない(というか入社できない)のでご注意を笑
③ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏
目的 | 投資銀行の業務内容を知る (より具体的なイメージをつける) |
おすすめ度 | ☆☆☆ |
難易度 | ☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
ゴールドマンサックスでMDまで務めた、服部氏の書籍です。服部氏が現役時代に手掛けた案件について一部数字は架空の物となっているとはいえ、かなり詳細に書かれており(秘密保持契約とか大丈夫なんですかね笑)、バンカーの仕事内容がうかがえる書籍となっています。
注意点
交渉方法やM&Aの具体的なスキームなどにまで言及されているため、まったく知識がない状態で読むのは少し辛いかもしれません。会計知識やコーポレートファイナンスなどについて最低限理解した状態で読むと非常に面白いと感じるでしょう。
最低限の会計の知識をつける
面接の財務的な質問に答える、ジョブで企業分析をする、など様々な場面で会計の基礎がわかっていないと苦労することになります。新卒採用はポテンシャル採用とはいえ、最低限財務3表程度は理解できると良いでしょう。
④財務3表一体理解法
目的 | 最低限の財務知識を身に着ける (財務3表の概念や読み方、連動の仕方など) |
おすすめ度 | ☆☆☆☆ |
難易度 | ☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CS)の財務3表について最低限知っておくべき内容を網羅しています。ジョブでは、企業の財務分析が必須となりますが、就活生の多くはPL、BSのみに注目してしまいがちで、CSは無視してしまいがちですが、この本を理解した後なら3表すべてを読みこなせるでしょう。
注意点
新書ではありますが、内容は中々に豊富で重いので、電車などの移動時間で少しずつ読むというよりは、時間を取って一気に読み切ってしまう、というスタイルをお勧めします。
⑤財務3表図解分析法
目的 | 財務3表の読み取れるようにする 実例をもとにどのように財務分析をするのか学ぶ |
おすすめ度 | ☆☆ |
難易度 | ☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
先ほど紹介した財務3表一体理解法の続編です。アップルやソフトバンクなど、私たちに身近な企業を取り上げて、財務3表一体理解法で学んだことを生かして分析をするとどうなるのか、ということに焦点あてた書籍となっています。
注意点
分析を読んでなるほど、と思うだけでなく、自分で実際に企業を選んで分析をしてみるというステップを踏むと身につくものが多くてよいと思います。
JOBで必要なバリュエーションの知識をつける
ジョブ中に簡単な講義は行われるものの、その講義だけですべてを理解するのは不可能に近いので、バリュエーションについては事前にしっかり勉強しておいたほうがよいでしょう。
⑥MBAバリュエーション
目的 | バリュエーションの概念を理解する 簡易版のバリュエーションをできるようにする |
おすすめ度 | ☆☆☆☆☆ |
難易度 | ☆☆ |
就活の鷹からのコメント
IBDのジョブに参加するならば、必ず所有すべき本といえます。バリュエーションに関して知っておかなければならないことの全てが書かれています。IBD内定者の友人曰く、内定後に読み直しても新しい学びがある非常に価値のある一冊とのことです。
注意点
執筆時から時間たってしまっているため、取り上げられている企業の情報や、一部の用語が古くなってしまっています。が、それを差し引いても所有しておくべき価値のある本といえるでしょう。
⑦バリュエーションの教科書
目的 | バリュエーションをより深く理解する 財務指標に関する理解を深める |
おすすめ度 | ☆☆☆☆ |
難易度 | ☆☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
MBAバリュエーションの作者の最新作です。MBAバリュエーションよりも専門的な内容に立ち入っているため、まずはMBAバリュエーションを読んでから、こちらの本を読むとよいでしょう。バリュエーションの教科書と題名がついていますが、ROEやROICなどの財務指標についても詳しく書かれており、しっかり内容を理解できれば、ジョブの際より深い企業分析をすることができるでしょう。
注意点
9、10章では、ブラックショールズの公式など、オプションについて詳しく書かれており非常に難易度が高いです。就活中に必要な知識は8章まで(特に1-3章が重要)といえるでしょう。
もっと詳しい知識を身に着けたい
ここまで紹介した7冊の内容をしっかり理解しているのであれば、IBD内定のための知識は身についているといえるでしょう。ここから先は時間に余裕があり更に深い知識を身に着けたいという人向けです。ここで紹介する本まで読んでおけば、ほぼ間違いなく、知識面で他の学生を圧倒することができるでしょう。
⑧経営戦略とコーポレートファイナンス
目的 | コーポレイトファイナンスを学ぶ (より深い企業分析、買収戦略策定をできるようにする) |
おすすめ度 | ☆☆☆☆ |
難易度 | ☆☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
コーポレートファイナンスを学ぶと、深い視点での企業分析、買収戦略策定が可能になり、ジョブでのパフォーマンスが圧倒的に向上します。コーポレートファイナンスについて、理論から実務まで幅広く解説した本は中々ないため、是非IBD志望者、特に外資トップティアを目指すならば必読書だといえます。
注意点
ある程度コーポレートファイナンスを理解している層が想定読者層なので、いきなりこの本を読んでも学ぶものが少ないと思われます。『財務3表一体理解法』『バリュエーションの教科書』などで最低限の基礎固めをした後に読むとよいでしょう。
⑨日本のM&A
目的 | M&Aについて、専門的な知識をつける 専門家レベルの視点を知る |
おすすめ度 | ☆☆ |
難易度 | ☆☆☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
先ほど紹介した『ゴールドマン・サックスM&A戦記 伝説のアドバイザーが見た企業再編の舞台裏』と同じ著者の作品です。こちらの方がより専門的で、専門家がどのような視点でM&Aを見ているのかということがよくわかります。
注意点
650ページと辞書のような厚さの本です。じっくり腰を据えて読む覚悟をしてください。自分の興味のある章だけ読んでみるという姿勢でも悪くないと思います。
⑩最新M&A実務のすべて
目的 | M&Aについて、専門的な知識を身に着ける IBDの業務内容を様々な観点から理解する |
おすすめ度 | ☆☆ |
難易度 | ☆☆☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
M&Aの法務、税務などといった財務以外の観点からの説明があり、総合格闘技と呼ばれるM&Aの全体像を理解するのにはうってつけです。IBDで働くうえでは財務以外の知識も当然求められるのですが、IBDの仕事内容を理解するのに非常に役に立つ本といえるでしょう。内定後、入社後に必要になることを考えると今のうちから入手するのも悪くはないかもしれません。
注意点
こちらもかなり分厚く、内容もかなり専門的な本です。非常に勉強にはなる本なのですが、如何せん通読するには時間がかかりすぎるのでかなり時間的に余裕のある人向けといえるでしょう。
コーヒーブレイク
以下は、就活の鷹が読んで非常に面白い、勉強になったと感じた本4冊です。
どの本も気軽に読める本なので、息抜きがてら、ぜひ読んでみてください。
⑪ウォールストリート投資銀行残酷日記
目的 | 本場アメリカのIBDの働き方を知る 就活の息抜き |
おすすめ度 | ☆☆ |
難易度 | ☆☆ |
就活の鷹からのコメント
IBDの働き方のネガティブ面を強調した本といえるでしょう。ジュニアバンカーの苦しみと享楽的なストレスの発散について書かれた本です。労働環境がある程度改善した今でも、純粋に読み物としては面白い本といえるでしょう。
(とあるハウスでは、作中に登場する享楽的なパーティーが未だに存在するとかしないとか、、、)
⑫巨大投資銀行、⑬獅子のごとく
目的 | 投資銀行の業務を知る(過去のものなので、現行の業務と齟齬あり) 就活の息抜き |
☆☆☆ | |
難易度 | ☆ |
就活の鷹からのコメント
二冊とも、経済小説に定評のある黒木亮氏の小説です。若干の脚色はあるものの、実在の人物がモデルとなっており、非常に読み応えのある小説といえるでしょう。ちなみに、巨大投資銀行に関しては、amazonのKindle Unlimitedの対象となっており会員は無料で購読できるようです。
⑭生涯投資家
目的 | コーポレイトファイナンスの理解を深める (TOBや株主価値など) |
おすすめ度 | ☆☆ |
難易度 | ☆☆☆ |
就活の鷹からのコメント
かつて一世を風靡した村上ファンドの村上世彰氏の自伝です。直接IBDの業務に関係があるわけではありませんが、当時のTOBの詳細やコーポレートファイナンスの考え方など、非常に勉強になる本といえるでしょう。
終わりに
いかがだったでしょうか?今回は、IBD選考へ向けて有用な対策本をご紹介しました。
こんなに沢山読めないよ!と思うかもしれませんが、もしインベストメントバンカーになれば、これと比じゃないほど勉強する毎日が続きます。IBDを目指すなら、このくらいは頑張りましょう。
書籍や選考に関する質問などあれば、随時TwitterのDMやお問い合わせフォームから受け付けますので、ご連絡ください!